avsoft 0908-
○ 20091224 SACD他
パーヴォヤルヴィ指揮、ベートーベン交響楽のディスク。右下は、フリッツライナー指揮のもの。
パーボヤルヴィ指揮、ドイツ商工会議所管弦楽団ブレーメン(KAMMERPHILHARMONIEは商工会議所オーケストラ訳でよいのでしょうか?)ベートーベン交響楽マルチSACDが、ソニーBMGから出ています。
交響楽第3番、第8番 2006年
交響楽第4番、第7番 2007年
交響楽第5番、第1番 2008年
そして、交響楽第2番、第6番そして第9番が2009年にリリース、現在HMVから入荷待ちです。
マルチチャンネルのこのシリーズ、小編成のオーケストラで、昔の楽器配置を行い、テンポが若干早め(というよりスコアどおりなのか?)が特長です。現在のウイルソンシステムで改めて聞いてみると、低域が薄いと言ったのは、若干意味合いが違うかな、という気持ちです。小編成ならではでの、各楽器の音がよく聞こえる、という意図らしいのです。通常の左手のみではなく右手にもバイオリンを配置。その一本一本の弦が丁寧に収録されているのが聴こえるため、すごく新鮮です。
最近「のだめ」で有名になった交響楽第7番を聞いてみると、若干低域が物寂しく感じたので、フリッツライナーの交響曲第7番を聞いてみました。
フリッツライナー シカゴ交響楽団 1955年収録 XRCD2 SHMCD 音が良いので有名なXRCD2バージョン且つ、音が良いのですごいSHMCD版です。1955年収録ということがにわかに信じられないくらい高音質。画像がプア−な時代、音声がこのように高音質で残された、というのはある意味奇跡なのかも。消えていく音楽という情報を何とか記録しようと、色々な技術に挑戦し、結局磁気テープという音波を磁気に変換、記録するシステムを作り上げたその時代の技術者には感服いたします。パーヴォヤルヴィを聞いた後では、若干の混濁感はありますが、雄大な低域は感動的です。
こちら左側は、エソテリックが出した高音質SACDシリーズ。右下は、新世界より、ですが、フリッツライナー指揮のもの。
DECCA ファリアの三角帽子 アンセルメ指揮、スイスロマンド管弦楽団 1961年収録
DECCA ドボルザーク 新世界より ケルテス指揮、ウイーンフィルハーモニー管弦楽団 1961年収録
エソテックの機材、エンジニア−と、JVCが手を組んで、デッカのマスターをリマスター。1961年収録というのが信じられないくらい鮮度が高いのです。テープヒスはほとんどありません。三角帽子は冒頭のティンパニーでぶっ飛びます。確かに、ライナーノーツにあるように、この録音は観客席で聞くティンパニーの音ではないようですが、録音と言うことで楽しんで聞く分には相当にすごい録音です。新世界より、も同様。1961年収録でありながら、ウイーンフィルハーモニーの華麗且つ懐の深い響きが楽しめます。
で、フリッツライナーの新世界よりも聞いてみました。
フリッツライナー シカゴ交響楽団 1957年収録 こちらもXRCD2+SHMCD版。音楽的にはこちらも面白いです。エソテリックと同じ曲ですが同じ曲には聴こえない、という不思議なことも起こってしまいます。こちらは、エソテリックにくらべテープヒスが常に聴こえてしまいそれが目立ってしまいますが、演奏がフリッツライナーの丁寧で端正、繊細で溌剌とした指揮が音楽に現れて聴いていて面白いです。
○ 20091212
ハリーポッタ−と謎のプリンス BD 2009年米 総合 5 HD画質 VC-1 7 HD音質 DHD 8
物語と登場人物の年齢が同時進行という凝ったつくりをしている。前作では、ハーマイオニー役エマワトソンのあごがしゃくれてどうなってしまうか、と危ぶんだが、本作では、美人に写っている。(しかし、その分個性が消え、映画中役作り上どうでもいい状態になってしまっているのはかわいそう)
途中何度も寝てしまって、最後まで通して見てはいない。クイディッチの試合のときに効果音がどか!!と来るので目がさめる。
画質はVC-1としては大健闘で高画質。CG満載だが、至極丁寧なつくりで美しい風景、建物の描写だ。ホグワーツ、イギリスの町並み、魔法界の町並み、海、島、洞窟などすべてCGなのだが、CGくささが抜けていてすばらしい仕上がり。煙、水などはCG化がすごく難しいので、CG然としてしまうが、まあ、全体的にすばらしい出来なので許してしまえます。
ストーリーが、青春の恋物語導入のため間延び感がぬぐえず、肝心のボルデモートとの闘いの恐怖が薄くなっている。
音声は、ドルビーHDでサラウンド感良好。
シャングリラV 2008日 WOWOW HD 総合 6 画質 MPEG2 音質 (録画)ドルビーデジタル変換2ch
WOWOWのユーミンライブ。「シャングリラをめざせ」の曲のときに、光が明滅し、ピカチュー症候群を発症しそうになるので注意が必要。この明滅は凶器だ。録音の仕方がそうなのか、MISIAライブを聞いた後に視聴したのでそう思うのか、少し低域の量感が少ない。
TOUR OF MISIA2008 8thWORLD BD 2008日 総合 7 画質 MPEG4AVC 7 音質 LPCM 5.1 8
LX91ではCH表示が2つずれて表示されてしまった。CH12(14)でのeverythingは、バラードではなくディスコ調にアレンジされてしまっていた。残念。他のバラード物が今一で、MISIAの歌唱力をフルに生かしきれていないディスク。ステージセットが、後方左右に画像が表示される仕掛けなのだが、大画面で見ると、ドットが荒く、低画質に見える上、ちかちかして見ていて気分が悪くなってしまう。残念。
○ 20091207
ローレライ WOWOW HD 2005年日 フジテレビ・東宝 総合 4 HD画質 4 AAC音声 6

何でこんな風になってしまうのだろうか?これまでは、潜水艦映画に外れなし、が常道だった。このローレライという潜水艦映画はひどい。洋上艦、潜水艦、B29など主要メカ、さらには海洋もALLCG。CGの出来も悪く実感がほとんどない。新東宝のミニチュアを使った戦争もの、東宝円谷プロのミニチュアを使った戦争映画、さらには、実機を使ったトラトラトラを見た後で、この映画を見るとがっかり。
きれいな姉ちゃんは意外性があるが、魅力に乏しく、綾波レイほどの切羽詰った美しさもない。波のCGがこなれておらず、潜水艦内部は作りこんでいるみたいだが、全体の出来には余り貢献していない。
トラトラトラ BD 1970日米 総合8 HD画質 7 HD音質 7
DVD版が、結構解像度が低かったので、それに比べれば大健闘だが、現代のHD画質に比べると一歩譲る。しかし、この映画のすごいところは、ほとんど実物を映しているということ。テキサン改造の99艦爆、零戦21型など本物が飛んでいるし、艦船も本物。爆発するのはミニチュアだが、それすらも小さい実物である。(小さいと言っても戦艦ミニチュアは大人の背丈以上の全長を持っている)。解像度の甘さを補って余りある迫力。これはすごい。
近年、太平洋戦争の「もし」を再評価する本が刊行されていて、その中で、南雲中将が第2次、第3次攻撃隊を飛ばし、ハワイにいなかった機動部隊を殲滅、ハワイを占領していればどうなったか、についての考察があった。結局、補給の問題があり、占領したものの、ハワイ島の米軍の規模の大きさは海上部隊のみでは駆逐出来ない規模であり、また、占領できたとしてもその後の米の軍備大量生産に対しては、対抗できなかった。南雲は無能という評価も、的外れで、ハワイを攻略せず、艦隊を無事につれて帰ってきたことは評価されるべき、というものであった。
トラトラトラを見ていると、やはり、南雲中将の決断は、もどかしいものがあり、それだけ史実に忠実に作っていたことが判る。忠実すぎてアメリカ側がこてんぱんにやられる様に、アメリカでは流行らなかった理由がある。
男たちの大和 2005 日 地デジ 総合6 HD画質 5 音質 5

どうしてこんなつくりになってしまうのか。ある批評では「男たちの3連25ミリ機関砲」という辛らつなものもある。
HD画質となり、実写(ロケセット)とCG合成の差が際だってしまった。特に、実物の自衛艦の波しぶきを使ったと言われる大和の波しぶきはスケールが合わず実感がまるでないのは残念。
インクレディブル・ハルク WOWOW 2008米 総合4 HD画質 4 AAC音質 5
画像はBDのケース。今回視聴はWOWOWです。
CGのスーパーヒーローは要らない。これだったら、アニメにしてしまって、Mr.インクレディブルの方が思いっきりが良い。
ハルクのCG表現がリアルではないので、見ていてつまらない。これだったら、シュワちゃんやスタローンに着ぐるみの肉じゅばんを着せて戦わせた方がはるかにリアルだ。
リブタイラーがその美しさをうまく使われていない。ジェニファーコネリーも、リブタイラーも、その美しさを使われない映画にばかり出ている気がする。(というより、彼女らに演技力がないのか?)
○ 20091125
アムステルダムコンセルトヘボウ/ハイティンク NHKエンタープライズ BD
アマゾンから、このBDをNHKエンタープライズに着払いで戻して欲しい、とメールが11月5日に来ました。
音声の不具合としか説明がなく、ほんまかいな、という思いでした。先日かないまるさんのホームページにこの件が書いてありました。
発売日自体が10月25日から、11月27日に変更されたこと。音声の一箇所にドロップアウトのように聞こえる部分があり、プロデューサーがそこを手直ししてから出ないとだめ、としたのが理由だ。
など。
で、今日11月25日NHKエンタープライズから同BDが届きました。
前に聴いていたとき、確かにぷつっと音が切れたような気がした部分があったような気もしないではない、というくらいの不具合があったかも。どこ、といわれてももう忘れた、としかいえない部分です。
私のように、10月25日届いた方は何人いたのでしょう?かないまるさんの文章では、発売自体が11月27日になり、もう少し待ってください、という文章です。すごいぞ、アマゾン!!という感じ。
ターミネーター4 BD 2009 米 総合 8 HD画質 MPEG4AVC 9 HD音質 DTSHD 8

こちらもアマゾンにお世話になりました。早期予約していたものもあり、発売日、発送のメールが来て、2件だぶって発注していたのを知りました。即、連絡をすると、現品を荷姿のまま送り返して、返金可能と言うものでした。アマゾンさんご迷惑をおかけします。
さて、T4。監督がターミネーターに愛情を持っている人物であろう、ということが感じられる画作りをしています。T3でこけているターミネーター。今回のT4は、あらたなターミネーターの伝説の始まりとなるでありましょう。
主役にバットマンで気を吐いたクリスティアンベイル。この人は、業を背負った役がはまり役のようです。中盤からの劇中風景はマトリックスレボリューションの世界。機械相手に人間が戦いを挑む、という構図。こちらの方がずっと判りやすい。
T800にアーノルドシュワルツェネッガー。CGで若く造型されている。こんな風にシュワちゃんが出てくると思わず嬉しくなってしまう。早く次作がみたいなって思う作品でした。
○ 20091106
スタートレック BD 2009米 総合 10 HD HD画質 MPEG4AVC 10 HD音質 ドルビーHD 9

BDを買うか!?と書きましたが、郵便受けに本作が入っていました。アマゾンに予約していたのをすっかり忘れていました。
WOWOW放送に比してビットレートが高いBDソフト。放送を一枚のセル画とすると、BDはそのセル画の後ろに2枚、3枚と色、奥行きなどの情報が密に入っているセル画を配置している、という感じ。人肌も情報量が多く、質感は高い。恐怖を感じている状況シーンでは、目の色、肌の感じから恐怖が伝わってくる。空気感、金属の光沢、質感どれをとっても放送ものの1枚も2枚も上を行く。
音声はドルビーTHD。明らかに放送よりハイグレードの音。
WOWOWを録画してから、BDを購入しても損はない作品。
ロミュラン船タイムスリップ後の話で、これまでのスタートレックの歴史とは違う事件が起こり、違う未来が始まる並行宇宙でのお話。やはり、ロミュラン船が強すぎ。また、宇宙嵐の中、ロミュラン船が突き出てくるのは、ブラックホールのイベントホライズンのはず。そうすると強烈な重力が発生しているはずなのに、そういったことは、ラストシーンにしか描かれていない。ましてや、ブラックホールが目の前に発生しているのに、ワープコアをぶち込み、その爆発力で脱出するって、どれだけワープコアが強力な訳?って突っ込みたくなります。まあ、そんな堅苦しいことは言わずにスタートレックの世界を楽しみましょう!という大らかな作品です。
○ 20091103
スタートレック 2009米 WOWOW 総合 9 HD画質 9 AAC音質 9
新作劇場版スタートレックのHD放送。監督 JJエイブラムス。(1998アルマゲドン脚本、2008クローバーフィールド製作、2006MI3監督)。JTカーク役 クリスパイン(プリティプリンセス2 2004)。スポック役 ザッカリークイント(HEROESで異彩を放っていたサイラー役)ウフーラ役 ゾーイサルダナ(ドラムライン2002年米)、スールー役 ジョンチョウ、DRマッコイ役 カールアーバン(ロードオブザリング2002,2003、リディック2004、ゴーストシップ2002)
画が、ギャラクティカ(2003)風の手持ちカメラ臨場感出しのタイプで、大画面では見にくい部分もある。CG全開だが、息苦しさはない。これがすばらしい。
旧来シリーズに縛られることのない自由なキャラクター達が活き活きと活躍。JTカークは、うる星の諸星中のようなすれ違う女子すべてに「お姉ちゃんお茶しませんか」とアプローチする博愛主義者になっているし、感情をあらわにしないバルカン人スポックがこれでもかと言うくらい感情爆発。恋愛も炸裂!これだけでも面白いのに、ドクターマッコイ役のカールアーバン(ロードオブザリングでエオメル役)が、上記2人に負けないくらい偏屈且つ憎めない医者を演じる。他、スコット役、スポック母役(ウイノナライダー)などそれぞれがその役をうまく演じている。
タイムスリップと次元転移、タイムパラドックスと多元宇宙など未消化な部分があるがスタトレということで目をつぶりましょう。ロミュランの採掘船が強力すぎるきらいがあり、クリンゴン艦隊も、連邦艦隊も宇宙の藻屑となってしまう。唯一生き残れるのがエンタープライズと言うところは、宇宙戦艦ヤマト風。
エンタープライズ内部は、これまでのシリーズとは一線を画し、工場プラント然としている。これは、基本的に重力が上から下へ働くと言うのを前提としたつくり。これでいいのだろうか?
いずれにせよ、最近のSFの中では、CGの窮屈さが微塵もないし、わくわくどきどき感が非常に高く、放映時、そしてその後2回も見てしまうパワーを持った作品です。BDも買うか!?
○ 20091025
BD
ハイティンク・ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団 2009年3月 NHKエンタープライズ
総合 8 音質(LPCM 2ch 5CH 98Khz/24Bit) 8 HD画質 10

かないまるさんのホームページで紹介されていたので、即予約。一昨昨日届きました。
アムステルダムのコンセルトヘボウの音響が聞けます。最近録音で多い、オンマイクマルチ録音のハードでシャープな音像とは正反対のマイルドでふくよかな音。
その理由は特典映像に入っています。ライナーノートの記述がなければ、マイクの位置がわかりませんでした。
画像は、被写界深度が浅く、また、ワイド画角を取るカメラのレンズによって、画面左右端に収差(ボケ)が発生、ピントが合っているところに自然と目が行く画の作り方です。
ハイティンクは何と80歳。高齢を感じさせない無駄のない端正な指揮は、美しいです。カメラマンの趣味か、クラリネット奏者のクローズアップが多く、吹き始めると顔が真っ赤になっていく様を十分に楽しむことが出来ます。
音声は、ハードさ、シャープさはないもの。コンセルトヘボウの木造ホールと、通常楽団の後背面には、反射板など音響板があるのが普通なのに対し、ここでは、観客席があるという変わったつくりが、音にも現れています。
ただ気になったのは、天井からつるされている極小マイク。これが楽器パートの上に来るのですが、風でふらふら揺れるぶら下がり方。やはりマイクも動かないところは動かないで、動くところは動く、という基本に従ってセッティングしてもらいたいもの。見えにくいのは利点ですが、音の芯が腑抜けになりやすいマイクセッティングだと思います。
ライナーノートで、2009年5月に黒田恭一氏が亡くなったと、書いてありました。氏の評論文章は読んでいて気持ちがよくなるもので、全くおしい人を亡くしました。クラシックを知らない人でも興味を持つことができる文章を書ける人は、氏のほかには知りませんでした。ご冥福をお祈りいたします。
○ 20091023
スターゲイト WOWOW HD 1994 米 総合9 HD画質 9 音質AAC 8
DVD版では、初期のDD版と後期のDTS版があり、DTS版の方が映像がきれいになっていたと、以前のレヴューで書きました。今回、WOWOWでHD放送されると聞き待ち焦がれていましたが果たしてその期待は裏切られませんでした。
1994年製作と言うことを考えてもかなりの高精細画質です。テレシネに成功した事例と言えるでしょう。金属の輝き、皮革、スリング、布の表面のひだ、柔らかさの表現、すべての局面で高画質です。
音声も、ラーの宇宙母艦がピラミッドに降下してくるシーンでは、重低音が響き渡り家が揺れます。(ちなみに再生装置はホームシステム、SPB&W DM220 AVアンプヤマハAX1700で、この効果です。)
HDで放送してくれたWOWOWに感謝です。こうしてみるとTVシリーズのSG1とは、やはり金のかけ方がすごくちがうなあ、と感じえませんでした。(映画版の方が金が掛かっている)ジャファの変形甲冑も、CGですがあまり違和感のない出来だし、グライダーはミニチュア合成ですがこれもまた良い。カートラッセルのオニール大佐もまあまあ。1991年のバックドラフトのイメージが強力なわけです。
千夜一夜物語 1969 日 HD WOWOW 総合7 HD画質 6 音質 6
手塚治虫が「大人のためのアニメーション」として製作。昔子供の時にTVで見たときには、セックスシーンで、下半身にカメラを移していくとバラの花弁に変わり陶酔の描写になっていくのを羨望のまなざしで見ていた記憶があります。現在のCG満載のアニメーションに比べれば小手先の技を使っていない分、画に力があり、表現としても直截で、原画を手塚が担当している部分は、手塚の女性に対する憧れとか、現実とかが十分に表現されています。
しかし、当時の映画興行的には失敗で、クレオパトラ、悲しみのベラドンナの3部作で、虫(手塚)プロが傾いたのは有名な話。
創聖のアクエリオン DVD 2005 テレビ東京 総合 7 画質 7 音質 7
マクロスFでの河森正治が良かったので、関連作を調べました。音楽監督の菅野よう子が河森作品につながっていて創聖のアクエリオンの音楽も担当しているということから、DVDを借りてきました。
女の子、メカ、SFのお決まり3本柱を踏襲しつつ、さらに、堂々と「合体!!」で、女の子が「気持ちいい!」と言ったアニメはこれで最初で最後か?
CGとアニメーションをうまく混ぜてあり、ベクターマシンの合体には、金属の無理な変形なしに、合体するという河森のこだわりが動画でも実現されている。アクエリオンの世界は、やや息苦しいものだが、設定が堕天使(堕天翅)を扱ったものなので仕方がないか。(サイボーグ009も、幻魔大戦も、デビルマンも、天使、悪魔を扱い始めると作品が窮屈になっていってしまったものだ)
○ 20091003
つみきの家 DVD 2008年 日 総合6 画質 6 音質 6
監督 加藤 久仁生。 脚本 平田 研也。12分。
鉛筆手書き動画という時代錯誤的手法で作られたアニメーション。海に沈む家を上へ上へと建て増ししていく男性が描かれているが、実は海は海という物質ではなく、彼の生(人生)そのものである、という深ーいアニメ。
○ 20090929 BS11
マクロスF 2008日 BS11 HD 総合9 画質 8 音質 8
BS11でマクロスFのHD放送があった。これまで、知り合いの紹介ビデオでパソコン上でMpeg4画像は見ていました。BS放送のHD版はそれを上回る高画質。ただのアニメを通り越したクオリティ。
何しろ、スタジオぬえメンバーが多数関与。監督が河森正治。スタッフでぬえの宮武一貴、(元)佐藤道明など。SF表現は安心してみていられる仕上がり。
最終話はCG全開。マクロス級戦艦、バルキリー型戦闘機、敵方クリーチャーなどなどCGのオンパレードだが、作画がしっかりしているので、間延び感はない。
お約束のSF、女の子、メカがきちんと絡み合い、乳首輪郭付のサービスカットもちりばめられている。近年で日本のSFとしては大収穫のSF物。おまけにサウンドトラックも充実。ロックアルバムとしても楽しめる出来になっている。
BS11では、SF、特撮、アニメが充実しており、古いTV放送のウルトラセブンも再放送していた。この放送は、HDではあったが、原版劣化が進んでいるのか、HD化の恩恵が余り見られなかった。デジタルリマスターのDVDと同じくらいの画質であった。また、ガメラシリーズもHD放送したが、WOWOW版の方が鮮鋭度が高かった印象。アニメは、「戦場のバルキュリア」など地上波では福島でやらなかったものを放送していて、しばらくは要チェックの日々が続きそう。
○ 20090923
スイングガールズ WOWOW 2004日 HD 総合8 画質 7 音質 7
WOWOWでのHD放送もの。DVDでは見えにくかった細かい描写が見えるようになり、改めてこの映画の面白さを楽しむことが出来ました。
HD版では、中古楽器のわざとメッキをはがしたような金属の表面の様子がありありとわかります。音もAACですが、DVDのドルビーデジタルより周波数レンジもダイナミックレンジも広い再生が出来ました。そうすると、ラストシーン前、列車の中で楽器演奏してしまう音量の大きさの表現。ラストシーンの発表会での演奏も、うまくはなっていったものの、やはり下手な演奏がよく確認できてしまいます。この映画は、演奏のうまい下手ではなく、うまく演奏できるようになっていく女子高生を描いたものなので下手な演奏は全く問題にはなりません。
ロケ地は、山形のいまやワインで有名な高畠、米沢、南陽各市。ロケ高校は高畠高校です。方言は山形弁のようなもので仕上げてあります。本物を追求すると、何を言っているか判らなくなるので敢えて判りやすいものにしたそう。
「おくりびと」2008が山形県酒田市の物語であったのに、ほとんど酒田弁ではなかったのもそのような理由か。酒田は語尾に「・・・の」という非常に心地よい方言表現でありますが。おくりびとでは、酒田のほか鶴岡、上山各市がロケ地となったそうです。ロケ先となった鶴の湯が今年8月一杯くらいでボイラー修理不能で営業を止めざるをえない、という新聞報道もありましたね。
FREEDOM 1―7 WOWOW 2006日 HD 総合 7 画質 8 音質 8
大友克洋が監督したと思ったら違うようです。彼が関与したのは設定の部分のようです。しかし、原画、背景の作りこみは大友作風がんがんです。今回HD版では、背景の描きこみのすごさが確認できたました。あのようなこだわりは大友氏しか出来ない気がします。詳細な描きこみも、色の使い方もHD版ではより詳細に見て取れました。一本の映画作品としては?ですが、カップヌードルのCMアニメとしては出来すぎです。
○ 2000902
スターゲイト SG1 S10 DVD 総合9 画質 8 (一部7) 音質 8
待ちに待ったSG1S10がレンタルされた。おやぢはツタヤの100円1、2、3日しか行かないから判らなかったが、セル品発売日と同じ頃の8月4日レンタル開始とラベルに書いてあった。今回は、1−3が貸し出し中で、4から7(最終話)まで借りてきた。先に映画版コンティニュアムムービーと聖なるアークを見ていたから、話の流れがつながって判るようになった。
最終話近く、本筋とは関係ないサブストーリーの話が2話ほどあったり、確かに、人気がなくなっていくのが判るようなつくりがあった。仕方がないか。いずれにせよ、このような良質なSFドラマが普通に作られてきたアメリカはすごい国だ。
○ 20090824
フレフレ少女 2008年日 地デジHD テレ朝 総合6 音質 5 画質 5
和製青春映画。主演新垣結衣。監督渡辺謙作。何とか破綻なく仕上げられている佳作。日本映画の常として、フィルム画質にこだわる余り、HDの恩恵が見られない画質になっている。CM付の映画放送なので、音質、画質の評価は並、としか言い様がありません。(地デジも映画はサラウンド放送標準にして欲しいもの。)
おやぢは中学生の頃、応援団だったので、懐かしく見てしまいました。「硬派」、、、死語ですな。最近では。おやぢが卒業した後の応援団は女子が多くなり硬派とは無縁のチアガール部になってしまったようです。
BS11のHD放送、ガメラシリーズ。
総合6 画質 − 音質 −
点がきついのは、CM付のため。WOWOWでノーカット映画になれているので、もはや、従来テレビ放送の、途中でCMを入れたり、カットしてしまう放映は映画とは言えない。
また、HDを謳っている割には、それほど高精細ではない。元フィルムが古いものであり、高画質を望めないかもしれないが、DVDボックスのデジタルリマスター版画質の衝撃からすればもう少し健闘を期待してしまう。WOWOWで放送した物に比べるとCMの有無で、評価が厳しくなってしまうのもやむを得ません。
しかし、映画自体は、CGなしのミニチュア実写合成は今見ても迫力があり、撮影の苦労がしのばれ、今の軽薄お手軽CG映画に比べればはるかに面白いものです。
20090807 あれこれ
いのちの食べ方 2005 独・オーストリア WOWOW HD 総合 6 映像 6 音質 6
WOWOWHD放送の映画。農産物、畜産物の収穫、解体、流通にいたる現場を淡々とドキュメンタリー固定カメラ方式でくっきりと映し出す。
見るのに、根性がいる映画。人により、吐いたりすることがあるかも。特定の食物を食べられなくなる人もいるかも。
でも、そんな狭い世界観ではなく、実際にその現場があるから、今私達の前においしい牛丼があったり、豚丼、鳥唐があるわけです。命に感謝して生きていきましょう。