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大昔 1960年代後半ころ、「プラモデル」は、マルサン(後マルザン)というメーカーの登録商標だった。
プラモデルの黎明期、プラスティックモデルが売れ始め、日東、ミドリ商会、日本模型(ニチモ)、タミヤ模型、長谷川製作所(ハセガワ)、青島、イマイなど今はもう倒産してないメーカーもある、プラモメーカーの群雄割拠が続いた。時は高度経済成長期、オイルショック直前のよき日々の頃だ。
プラスティックモデルという呼び名は長く、日本人の特長である、短縮語を編み出した。それがプラモ、プラモデルだ。
それがマルサンというメーカーが「その呼び名(プラモデル)はうちが考えたものだ。登録商標にしてあるので、他メーカーは使用するな。一般消費者も、プラモデルという呼び名をするときは当社の製品のことを指すということを肝に命ぜよ」、とお達しを出した。
これには、メーカーもユーザーもそっぽを向いた。結果的にマルサンはそれがたたって売れなくなり倒産した。
今で言う特許の開示だ。コンパクトカセットがあれほど隆盛を極めたのは、開発メーカーであるフィリップスがコンパクトカセットの特許を公開したためだ。すばらしいものはみんなで使いましょう、と考えたトップがいたということだ。
今はみんな普通にプラモデル、といっているが、マルサンがプラモデルの読みを規制していた頃は、代替呼び名として、「プラキット」「プラホビー」など苦しい造語を各メーカーが公表していたのだった。
そんな歴史があるのに、現代では、一般化していると思われる「ガンプラ」もバンダイの登録商標になっていると思う。こんな自然発生的な呼び名は商標登録しないほうがいいですよ。バンダイさん。