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大動脈である東海道本線を進んでいくとやがて伊豆半島が見えてくる。
この日は雨こそ降らないが空は薄曇りで視界はあまり良くない。進むにつれ伊豆半島の大室山が見えた。
2月15日に700年続くと言われている山焼きが行われた。山全体を覆っている草(ススキや萱)を焼くイベントだ。
大室山は小さな富士山みたいな火山で標高は580メートル。
天然記念物なので徒歩での登山は禁止されている。
設置されているリフト一択らしい。
山焼き後は山容が真っ黒になる。
天気が良ければ行って見たかったが今回は見送った。
熱海を過ぎると伊豆急行線になり線路は単線になる。
熱海駅あたりから山側をみるとかなり急峻な山の山頂付近まで住宅が結構ある。
なかなか大変そうだが雪が降らない温暖な土地だからそうなんだろうと思う。
単線区間にはいると列車はスピードが落ちる。
断崖を縫うような路線だからスピードは出せない。
しかしながら快適である。
この車両の座席は普通席だがリクライニングは当然としてシートピッチも広く窮屈さは感じない。
揺れも少なく快適だ。
そうこうしているうちに目的地の伊東についた。
やあ、あったかい。
道路の沿線には河津桜が咲いていたり椰子の木があったり正に観光地である。
伊東と言うと温泉に海である。
有名なハトヤや飯坂温泉でもお馴染みの聚楽がある。
海沿いの道にも立派なホテルが並んでいる。
伊豆急行線は歴史はあまり古くない。
伊東まで開通したのは昭和13年だ。
まだ100年経っていない。
平地の少ない地盤の悪いこの地まで鉄道を作るのは難しかったんだろう。
でもいまは単線とはいえかなりの数の列車が運行されている。
踊り子号はもちろんサフィール踊り子。伊豆急行の黒船号。普通列車さらには湘南新宿ラインまで乗り入れしている。
昔ほどでは無いとは言え寂れた感じは無い。
街中には温泉が引いてありいたる所で湧き出している。
さて我々は少し遅い昼飯を取る為に店を探した。
目的はうずわ飯。
そうだ鰹のタタキを使った名物らしい。
しかし目的の店は長蛇の列!!
時間に限りがある我々は残念ながらパス。
海側なら何か有るだろ?
と検索したら有りました。
なかなかダーティーいや鄙びた佇まい。
白い暖簾に魚としか書いてない。
入るにはなかなか戸惑いのある小さな古めかしいお店。
恐る恐る渋い引き戸をあけると目の前に階段がありどうやら上がれと言う事らしい。
軋む。
何となく三半規管に来る階段を登ると外観より広い和室があり座卓と座椅子の席が数席ある。
座るとすぐ女将がやって来た。
「どちらからお越しですか?」と尋ねられたので相方がすかさず「福島です。」と答える。
「ああやっぱり、言葉が懐かしい感じがしてもしかしたら福島かと思いまして。」「実は自分も、福島の旧山都町、今の喜多方生まれなんです。お国言葉は懐かしく柔らかく聞こえるんで、いいですね。」
なんと偶然。こんな所で同郷の人と出会うとは。
女将は70ぐらいに見受けられる。
とりあえずランチの刺身定食を頼んだ。
マグロ、鯵、ハマチの刺身に赤魚の煮付け、味噌汁に漬物のついたオーソドックスな定食だが、これが美味い。
鄙びた定食屋と言うか昔から営業しているお店なんだろう、有名人の写真や色紙が沢山飾って有った。
後から外国人のグループも来ていた。
美味いメシに御礼を言い帰り際に「今日は、どちらにお泊まりですか?」と聞かれたので、「日帰りです。」と答えると、「え?せっかく伊東まで来たのに?」と。
まあ普通はそうだろうね。
我々は電車に乗るレジャーなんでね。
機会が有ればまた来たい。
どうかその時までお元気で。
スケジュールが限られる鉄道旅は乗り遅れイコール帰宅不能の事態に陥いる。
遠距離なら尚更だ。
残念ながら滞在時間は長く無い。3時間程度である。
駅近くの観光地しか回れないがその候補地「東海館」へ向かう。
つづく。
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